+++さんきょうけ2(三強家)









*注 題名からお気づきかも知れませんが「みなみけ」のパロディーです。

カナ=幸村、チアキ=真田、ハルカ=柳、速水=仁王です。これは犯罪推進小説ではありません。

仁王が不良で、幸村が馬鹿なのが嫌いな人には、お礼になっていないかも・・・。










今日は大晦日。

中学最後の年だし、たまにはいいじゃないか?と言うことで、俺の家に集まって、一緒に年を越して初日の出を見に行くことになった。

俺の家は、弦一郎の家に比べたら狭いけど、みんなが集まるくらいだけならスペースはある。

中間地点だし、なにより俺が言い出したことだから、それで良いだろう、と言うことになった。







ピンポーン。







「よー幸村」

「仁王、いらっしゃい」

「今なにしとるん?」

「弦一郎と蓮二と紅白見てるよ」

「なんじゃ、大晦日と言えば格闘技じゃろが」

「そうかな。・・・ところで、その袋は?」

「おお、忘れるところじゃった。土産じゃ、ホレ」

「ありがとう・・・重っ!」

「どこにいけばいいんじゃ?」

「ああ、そっちの角を曲がったところ。上着は適当に置いておいて」

「了解」







袋の端からちらっと見えたものと、この重さからしてなんとなく『土産』を想像しながら、台所に駆け込んで袋の中身を見ると、案の定酒だった。

これはこのまま見せたら、俺の部屋、弦一郎に壊されちゃうなぁ。

というか、仁王、どうやって調達してきたんだか。悪いヤツだなぁ。

とりあえずコップを出し、一番度数の低いサワーを取り出してコップに注ぐ。弦一郎にはこれでも飲ませておけ。

様子見がてら、とりあえずそれだけ持って、部屋に戻る。

どうやってチャンネルを奪ったのかわからないが、紅白から格闘技に番組が変わっていた。







「みんな、仁王からジュースもらったよ。とりあえず、ハイ、弦一郎」

「悪いな」

「幸村、わしは透明なヤツを頼むぜよ」

「はいよ」





ニヤニヤしている仁王から注文を取っていると、横からうめき声が聞こえた。





「く・・・なんだ、この飲み物。随分熱いな」

「何を言っているんだい弦一郎。よく冷えているじゃないか。蓮二は何にする?オレンジ?イチゴ?」

「イチゴだと?」

「幸村、参謀にイチゴのヤツを!」

「はいよ」







台所に戻って、自分の分と頼まれたものを御盆に乗せて持って行く。

それぞれに配って、蓮二にバレないかと冷や冷やしたが、ただの炭酸飲料だと思ったようだ。

まあ、チューハイやサワーなんてジュースだよね。

四人でこたつに入り、つい格闘技戦に夢中になっていると、突然蓮二がテレビのスイッチを切った。







「お前ら、夜なんだから静かにしねぇか」







開眼してその目がさらに据わって、やくざと見紛うドスの聞いた声で蓮二が一喝してきた。







「アハハ、蓮二こわーい」







弦一郎が、今時同学年の女の子もしないようなしぐさでかわいらしく身をくねらせて、笑った。





キモチワルイ。

誰だ、お前ら。

横で仁王が「ピヨ」と言った。







「え、俺、怖いか?」

「まるでオニのよーーーー」







上機嫌の弦一郎に「オニ」と言われて、蓮二は泣き出した。







「そんな、ひどい・・・」







そしてぐらぐら揺れ出したと思ったら、ひっくり返ってしまった。

おいおいおいおい。





「あれ?蓮二?どこーーー?」

「寝よったな」







平静な仁王の言葉を聞かず、今度は弦一郎が泣き出した。





「蓮二?どこ?」

「反対側にいるよ!」







あまりに気持ち悪さについ怒鳴ると、これまた弦一郎もひっくりかえって寝てしまった。







ピンポーン。







「こんばんわー」

「よう、邪魔するぜ」

「夜分に失礼します」

「やあ、三人ともいらっしゃい。こっちだよ」







三人を部屋に案内する。

ドアを開けた瞬間、ベットの上に、俺と仁王で積み上げた蓮二と弦一郎の姿に絶句する三人。







「そこの2人は寝かしといてやり」







仁王がコップを飲み干しながら、三人に言う。

三人は、そういうことを聞きたいんじゃない、という顔をしたが仁王の言葉に頷いた。







「適当に座って。上着も適当に脱いで置いてね」

「将軍!三人に黄金色のヤツをよろしゅう」

「はいよ」

「幸村のコップも空じゃの。透明の付き合うてくれんか?」

「仁王、その言い方おっさんみたいだよ。うん、いいよ」







そうしてそれぞれのコップについて戻ってきて、三人に配り、もうこれは明らかにビールなので、引きつる三人に無理矢理笑顔で進めて乾杯した。















ぴぴぴ、ぴぴぴ、ぴぴ・・・

携帯のアラームが鳴った。五時前。そろそろ初日の出に行く準備をしないと。

でも。







「初日の出、行く人おるかの」







ぽつと言う仁王の言葉通り、起きているのは俺と仁王だけだった。

死屍累々。

みんなこんなに弱いとは。







「みんな寝てるね」

「そうやの。じゃあ」







仁王が俺の顎をつかみ、ぐっと顔を近づけてきた。

そして、急に真面目な顔になり、







「もっと、いいとこに、行こう、ぜ!」







こいつが一番酔っぱらいだ!!!!!!!







慌てて逃げだそうとしたが、そこに仁王が抱きついてきた。

まわりはみんな寝ていて、助けようとする気配は無い。

起きる気配もない。

助けてーっ。





















拍手ありがとうございました!なLogです。

これもすごいツボった話のなので、パロらしてもらいましたが、真田くんの乙女笑顔とか全然想像できなくて、なんて表現して良いかわかりませんでした。